僕はある時期、黄金分割にとても惹きつけられたことがありました。
黄金分割とは、人間が美しいと感じるとされる「1.618:1」の比率です。
動植物に見られたり、建築や美術に応用されたりしています。
音楽でも、作曲家バルトークなどが使っていたことで有名です。
音楽をコードで理解している僕は、この分割というものに何か秘密が隠されているのではないかと考えて、この黄金分割にもとても惹きつけられました。
音楽は、自然発生したものではなく、緻密な数字でできています。
12音階、ペンタトニック(5つの音で作られた音階)、トライアド(三和音)、リズムの拍も分割された数字です。
音楽は、この数字を複雑に組み合わせてできています。
下の動画はバッハの作曲した「蟹のカノン」を図解したものですが、ただ通り過ぎているように見えるメロディーも、実は数学的なハーモニーからできていることがわかります。
この話を奥さんにすると、奥さんは「占いと同じだ」と言いました。
生年月日で占う占いは、東洋も西洋も数字の組み合わせや分割でできているのだそうです。
西洋占星術は、全天を360度に分割し、それを12星座で分割し、その星座を土水風火の四元素、活動・固定・柔軟の3区分、男女の2区分で分割しながら、星同士の角度を割り出して運勢を見るそうです。
東洋占星術は、奥さんは専門ではないので詳しくないそうですが、こちらも十干、十二支、五行、陰陽といった分割の組み合わせで占われているというのです。
占いと音楽が同じ原理で作られているということに僕はとても驚きました。
数字を分割して組み合わせることで人間の魂が持つリズムを読み、同じものを使って作ったものが人間にとって美しいものであるというのです。
人間だけではなく、動植物にも黄金分割は潜んでいます。
僕は、吉野で、山の景色を眺めながら、今僕の視界にはどれだけの黄金分割が入り込んでいるだろうと考えます。
それは山の配置であるかもしれませんし、小さな、小さな草花かもしれません。
この世のすべての美しいものには同じリズムが潜んでいて、すべての芸術は、それを掴み出す魔方陣のようなものかもしれません。
吉野に来て、僕は、それをとても強く感じています。
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