僕はお酒が飲めません。
アルコールを飲むと動悸がするのでどうしても苦手です。
ですから昭和時代は、人付き合いがなかなか難しくて困りました。
当時は特に、お酒に強い人ほど尊敬されていて、特にミュージシャンであれば、酒づきあいと仕事の量が比例しているくらいでした。
ジャズの世界には強い人が多く、また、ジャズクラブで働くと好きなだけお酒を飲ませてくれるところもありました。
一口だけ飲んで、味がおいしいのはわかるのでとても残念です。
お酒だけでなく、煙草も、コーヒーも飲めないので、人と会っても間が持ちません。
そのうちジャズクラブに行くのも面倒になり、人と会うよりは、部屋の中で研究したり、生徒に教えたりしているほうがずっと楽だし、ピアノの腕も上がるので、気がつくと誰とも関わらない生活になりました。
最近では、飲まない人も増え、飲めないことでペナルティになることも少なくなりましたが、ジャズクラブへ行ったときはやはり、何だか疎外感を感じます。
僕の奥さんも、僕より飲めるようですが、具合が悪くなるのが怖いのでぜんぜん飲みません。
「私は飲んでいなくても充分おかしいのでいいんです」
奥さんは平気な顔をしています。
「あんたもおかしいから飲まなくて結構です」
奥さんは僕より人付き合いがないのでよかったのかどうかはわかりませんが、お酒を飲まなかったおかげで今のところ健康で、思う存分音楽の研究はできたのでよかったことにしています。
0 件のコメント:
コメントを投稿